
前日のインドネシアの高校生とのディスカッションに続き、この日、2年12組(国際教養コース)の13名は学校を離れ、名古屋国際センターを訪れました。同センターには、開発途上国の地域開発を支援するUNCRD(国際連合地域開発センター)の本部が設置されています。生徒たちはUNCRDのスタッフの方々による講義を受け、日頃抱いている素朴な疑問を直接尋ねることができました。
最初に講演してくださったのは、UNCRD研究員の丸山宗祐様でした。丸山様は、地方自治体におけるSDGs達成状況について、彩り豊かなグラフを用いたスライドを使いながら分かりやすく説明してくださいました。今年でSDGsの運用開始から10年目を迎え、残すところあと5年となりました。この間、さまざまな地域の活動が生まれると同時に、各地域が抱える課題も浮き彫りになったそうです。
講演後、生徒からは、「名古屋が最も達成できている取り組みは何ですか?」「SDGsに取り組む学校に対する調査はありますか?」「指標を見ると、日本にも飢餓があるとされていますが、それはなぜですか?」といった質問があり、丸山様は一つひとつ丁寧に答えてくださいました。


続いて講演してくださったのは、災害リスク軽減と水に関するプログラム専門家である横田妙子様でした。横田様は世界各地で勤務され、「水問題」をはじめ、多様な課題の解決に取り組んだ経験をお持ちです。実体験に基づいたエピソードを交えながら、生徒たちに生き生きと語ってくださいました。
国際貢献に関心の高いこのコースの生徒たちは、横田様のお話に最後まで興味津々で、熱心にメモを取っていました。特に、「水の問題が教育や経済、ジェンダーの問題にも大きな影響を及ぼしている」という説明には、生徒たちも頷きながら真剣な表情で聞き入っていました。
ここでも生徒から、「同じ水問題を扱うSDGsの指標として、ゴール6とゴール14はどのように関わっていますか?」「渇水への支援にはどのようなものがありますか?」といった質問があり、横田様は具体例を交えて丁寧にお答えくださいました。


生徒たちはこの2年間で大きく成長してきました。質問の質も向上し、中身の充実した感想を自分の言葉で述べられるようになりました。それもこれも、これまで彼らと出会い、刺激を与えて下さった方々のお陰だと思います。この日ご協力いただきましたUNCRDのスタッフの皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。